夏の黒を着こなす秘訣:決め手はアイテム体重

進化するファッションアドバイス

それにしても、ファッションアドバイスのバリエーションが随分と広がりました。

SNSやYouTubeのおかげです。またウェブサイトでのショップスタッフさんのコーディネート紹介など。

特に注目したいのは、必ずしもモデル体型ではない一般の人たちの着用例です。モデルさんの着用とは異なる良さが沢山あり、現実的なアドバイスとしてとても参考になります。

以前からコーディネート関連の本を読むのが大好きでした、自称「コーデ本愛読家」です。もちろん、本だけではなく、誌面のファッションアドバイスのページを見るのも大好きです。

石田純子さんのファッションアドバイスと夏の黒

「婦人公論」7月号では、私が大好きなスタイリストの石田純子さんが、夏の黒について「透け」と「抜け」という2つのキーワードでアドバイスされています。

詳しくは実際の誌面をご覧いただくとして(まわし者ではありません。著作権の問題です)、このブログでは、石田さんのアドバイスの中から、黒の着こなしに関わるポイントを膨らませたいと思います。

アドバイスの多様化と悩みの現実

さて、先ほどファッションアドバイスが多様化していて、その恩恵にあやかっていると言いました。

とはいえ、現実問題としては、そうそう簡単に服のお悩みってなくならないですよね。

それが証拠に、ライフスタイル関連の情報誌などでは、毎号「ファッションアドバイス」的なページが見られます。料理レシピのページと同様に。

考えてみれば、コーディネートって献立と似ているのかも。一通りのことは知っていたり、ある程度のアイテムは持ってはいるものの、なんだか絶えず悩んでしまう。。。

「アレンジしたい」「使い回したい」「バリエーションを増やしたい」「使い熟したい」このような思いは、料理シーンでもコーディネートシーンでも共通しているようにも感じます。

「服美容」という着想とアイデア

私はズボラで面倒くさがり屋なので、一石二鳥をこよなく好みます。

服は毎日必ず着る⇒どうせ着るなら美容効果もプラスできないかな⇒一石二鳥でラッキー!
これが根本にある気持ちです。

そして、この「服美容」の一番肝心なことは、服に関するお悩みをなくすことです。特別なドレスコードがない限りにおいて、何を着ようが自由なのですから、悩む必要などありません。

「悩み」は私たちを疲労させますし老けさせます。悩みにエネルギーを奪われるからです。エネルギーが消耗すれば、当然、美容効果も悪化の一途。。。

そうでなくても、私たちの人生には、致し方なく悩まないといけないことが満載です。中には避けられない悩み事という場合もあるでしょう。となれば、悩み解決エネルギーは、これらに注がれる必要があります。服なんぞに悩み解決エネルギーを投じていては、メンパ(メンタルパフォーマンス)が悪すぎます。

というわけで、一番大事なのは服について悩まないこと!

服のお悩み減らそうプロジェクト

勝手に命名、勝手に始動させたプロジェクトが「服のお悩み減らそうプロジェクト」
まずは、服選びのスタイルを分類してみました。

この図の説明は音声配信に任せるとして(このブログのメインテーマではないので)、今回の「婦人公論」へのお悩み相談者さんは、「アイテム寿命」が長めの方でした。

あなたはどのゾーンですか?

因みに、どのゾーンであろうが、悩む人は悩むし、悩まない人は悩みません。だから、どのゾーンであってもOK。

ただ、お悩みを解決しようとした場合、現状把握は必要です。この図はそのためのもの。

夏の黒をめぐる悩み

今回の相談者さんのお悩みは「夏でも黒を素敵に着こなしたい」ということでした。黒は多くの人に愛される色ですが、夏に着こなすのは意外と難しいものです。

石田さんのアドバイスは、黒に軽さをプラスすること。

では、なぜ「軽さのある黒」がお悩みを解決してくれるのでしょうか?

黒の特性を理解する

黒が多くの人に好まれる理由は様々です。

「おしゃれに見える」「着回しがしやすい」など、理由は人それぞれでしょう。

黒の最大の特質は、何と言っても細見え効果の高さです。これは「収縮色」と呼ばれる色の心理作用によるものです。

しかし、黒にはもう一つ重要な特性があります。それは「重見え」です。黒は見た目に重さを感じさせる色なのです。

例えば、ボーリングの球を思い浮かべてみてください。重量のある球は、黒や濃い色をしていますよね。反対に、子供や初心者用の軽い球は明るい色やパステルカラーが多いです。

「細くも見えるし、重たくも見える」これが黒を着る時に心しておきたいことです。

夏の黒を軽やかに:アイテム体重というアイデア

夏の黒の場合、この「重さ」が問題になります。私たちは夏に爽やかさを求めるため、重たい印象の黒は避けたくなるのです。

そこで、石田さんは「黒に軽さをプラスする」というアドバイスをしています。具体的には、「透け感」と「抜け感」という2つのキーワードを挙げています。

私からは「アイテム体重」というアイデアを提案したいと思います。これは、そのアイテムを実際に秤に乗せたらどれくらいの重さになるか、ということです。

軽やかさを出すには、素材感が重要です。しかし、形(ボリューム)もまた重要な要素です。コンパクトな形状は、アイテムの総重量を減らし、結果としてアイテム体重を軽くします。

配色テクニックの秘訣

もう一つ重要なポイントは配色です。

重い物は下に沈みます。重い色も同様の印象です。

そのため、ボトムスを暗めの色にすると安定感が出ます。これがクラシックでベーシックな印象を作り出す時には重宝される配色テクニックです。

しかし「安定感」という印象は若々しさと真逆です。

つまり、若々しさや動きを出したい場合は、逆の発想が必要になってきます。トップスを黒にして、ボトムスを軽やかな明るい色にするというテクニックです。

これにより配色に動きが生まれます。動きのある配色はアクティブな印象です。このアクティブさが、若々しさを醸し出してくれるのです。

お悩みを減らすのはタイムレスなコーデテクニックから

ファッションの悩みは、料理のレシピの悩みに似ているとお伝えしました。

飽きないように更新しようと、常に新しいテイストを追い求めがちです。

けれども、それだけでは永遠に追い続けることになってしまいます。追い続けることが楽しくて、気力も体力も万全、となれば、追い続けることもOKでしょう。

けれども、もし、このような感覚に少し疲れてしまうようであれば、タイムレスなコーディネートも必要です。

大切なのは、押さえるツボを理解し、自分なりのアレンジを加えていくこと。そうすることで、流行に左右されず、自分らしいスタイルを築いていくことができるのです。

今回お伝えした「アイテム体重」は、そのツボの1つです。軽やかさを演出したい時に役立ちます。ぜひ、この「軽さの捉え方」を、あなたのコーディネートにお役立てくだると嬉しいです。

きっと、あなたなりの「服美容」が見つかるはずですから。

今回のテーマを音声配信します。

2024年7月11日から5回に分けてお届けします。

一応、12:30に配信できるように頑張りますので、是非、遊びにいらしてくださいね。

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